わからないことを『自分で調べる』のと『人に聞く』ではどちらが合理的なのか
勉強や仕事でわからないことがあって困ったときは自分で調べるか人に聞くかのどちらかになります。そしてその結果、怒られる決まり文句は次の2種類です。
・「人に聞く前に自分で調べなさい」
・「自分で調べる前に人に聞きなさい」
これでは結局のところ自分で調べた方がいいのか人に聞いた方がいいのかわからないですよね。
「わからないこと」を解決する方法として本当はどちらが合理的なのかを検証します。
「何が」わからないのか
いったい何についてこのようなことを言われるのかというと先ほども書いたように勉強や仕事についてが多い状況です。
まず勉強と仕事の違いを次のように分類します。
個人か複数人
「 わからないこと」を放置または長時間未解決にした場合にどこまで影響があるかはその当人なのかそれとも当人以外の周りにも影響を及ぼすのかの違いがあります。
個人:勉強
複数人:仕事
となりますね。
知識か成果
「わからないこと」を解決することで発生する成果に違いがあります。
解決することで知的欲求が満たされるものなのか成果物の作成に影響があるのかということです。
勉強も大学に入るという成果のためという大きなとらえ方もありますが、「わからないこと」を解決する成果はその知識を得ることがその前にあると理解してください。仕事の成果は成果物、プロジェクトの進捗に影響があるということがほとんどです。
知識:勉強
成果:仕事
となりますね。
カテゴリ毎の代表例
「個人か複数人」と「知識か成果」のカテゴリで代表例を明示します。
個人で知識:勉強
個人で知識に関する代表例としては勉強ですね。
個人で成果:料理
個人で成果を出すものとしては多くの人がイメージしやすい料理にしました。
複数人で知識:マナー・モラル
複数人で知識を共有しているものとしてマナー・モラルがあります。
複数人で成果 :仕事
先ほどと同じ複数人で成果をだすものの代表例は仕事です。
今回の代表例はイメージがしやすいものを選んでいます。
人によっては一人で仕事をしている方もいますので仕事とは「個人で成果を出すものだ!」という場合もあるでしょう。ただ今回は複数人で成果を出す仕事をイメージしていただければという扱いです。
わからない場合の各カテゴリの対応方法
勉強
調べる:教科書、辞書、ネット
聞く:先生、親、友人
料理
調べる:料理本、ネット
聞く:料理教室、親、友人
モラル・マナー
調べる:本、ネット
聞く:親、友人
仕事
調べる:本、ネット
聞く:先輩、友人
各カテゴリの対応方法のメリット・デメリット
勉強
【調べる】
メリット:ネット環境があれば自分のペースで直に調べることが出来る。
デメリット:ネットや調べる本がなければ解決は出来ない。
【聞く】
メリット:対話形式で聞くことは出来る。
デメリット:相手が教えてくれるかどうかは不確定。確実に教えてもらうには料金を払って家庭教師などを雇う必要がある。近くにいない場合には探す手間が発生する。
料理
【調べる】
メリット:ネット環境があれば自分のペースで直に調べることが出来る。
デメリット:ネットや調べる本がなければ解決は出来ない。
【聞く】
メリット:対話形式で聞くことは出来る。
デメリット:相手が教えてくれるかどうかは不確定。確実に教えてもらうには料金を払って料理教室などに参加する必要がある。近くにいない場合には探す手間が発生する。
モラル・マナー
【調べる】
メリット:ネット環境があれば自分のペースで直に調べることが出来る。
デメリット:ネットや調べる本がなければ自分で考えることとなるが偏った考え方になる恐れがある。
【聞く】
メリット:対話形式で聞くことは出来る。
デメリット:相手が教えてくれるかどうかは不確定。モラル・マナーについては思想・人生観も反映されるため一部の個人の考え方だけでは偏った情報になる可能性がある。
仕事
【調べる】
メリット:一般的なことについてはネット環境があれば自分のペースで直に調べることが出来る。
デメリット:その会社のルールややり方も考慮する必要があるため一般的な対処方法という解決策がない場合がある。
【聞く】
メリット:対話形式で聞くことは出来る。
デメリット:相手が教えてくれるかどうかは不確定。確実に教えてもらうために料金を払って聞くという対応も難しい。一般的なビジネス教室などでは仕事の個々の問題の対処方法を解決するのは困難。
対応方法の合理性
自分で調べる場合には自分のペースで直に取り掛かれるメリットがあります。
人に聞く場合には料金が発生する場合もありますが対話形式で疑問点を解消出来るメリットがあります。
両方のメリットを切り出すと次のように考えることが出来ます。
『自分のペース』と『対話形式』のどちらかで合理性を判断する。
そのため 自分のペースで出来るものであれば自分で調べることが合理的と考えられます。
特に勉強であれば分からないことが明確であり知りたいことも既に答えがあるものであるため自分のペースで調べることが可能となるものです。
自分のペースで調べることが難しいことの代表として「分からないことが分からない」という状態のものです。この場合には自分で調べることはほぼ不可能で人に聞いて解決する手段を見つけるほうが合理的です。
仕事で分からないとについては「分からないことが分からない」状況が多々あります。
この状況になるとどんなに自分で調べても手探り状況となり解決には時間が掛かります。時間に制約がないものであれば手探り状況も手段としてはアリですが合理性でいうと人に聞くほうが望ましいです。それを聞かれた側が教えないのは合理的な考えではないかまたは聞いてきた人が自己解決するように成長を促しているかのどちらかです。
ここについては聞く側ではコントロール出来ない範囲のことですので、まずは聞いてみることをお勧めします。
合理性だけを求めない必要も
合理性を視点に考察をしましたがそれが全て正しいとは思わないでください。
今回の場合で例えば、「ハンバーグの作り方が分からない」場合にはネットや料理本で自分で調べることが出来るのであれば自分で調べることが合理的で正しいということになります。
確かにそれがもっとも早く簡単な方法ではありますが、料理には家庭の味があります。これはネットや料理本でいくら調べても手に入れることが出来ません。
親から子へ会話しながら引き継がれていくものです。
最近はあまりにもネットで調べられることが多くなった影響で、このようなことが失われているように思います。
合理的なことだけを求めるだけでなく、その周りにあることにも目を向けることを忘れないことが大切です。
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