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世界の人口は100億人へ。その理由とその後を解説。

 日本では少子高齢化が進み、人口も減少しています。先進国は人口は減少している傾向にありますが、新興国では人口は増加し続けています。その結果、現在、世界の人口は70億人を超えています。

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人口の増加は環境問題、食料問題などに大きな影響を与えます。

人口はこのままどこまで増え続けていくのでしょうか。

それともどこかで増加は止まる傾向があるのでしょうか。

人口増加と出生率からその傾向を考察します。

 

1万年前は100万人、30年後には90億人 

 

世界の人口は20世紀以降急激に増加しています。国際連合の資料によると、1900年には16.5億人、1950年には25.2億人であったものが、1975年には40億人、1990年には50億人、2000年には60億人を超え、2017年には73億人に達しています。

現在は1分に137人、1日で20万人、1年で7千万人、増えています。

1万年前、地球の人口はわずか100万人しかいなかったのです。

 

1900年と比較をすると、105年間に世界の人口は約4倍に増加したことになります。
 国連の人口推計によると、今後とも世界の人口は増加を続け、2025年には79億人、2050年には90.8億人と、現在よりも約26億人も増加することが予想されています。

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出生率は2.05

世界全体の出生率の動きをみると、1950~55年の平均で5.02の水準にあったが、その後低下傾向に入り、1975~80年平均で3.92と4を下回り、1995~2000年平均では2.79と3を下回ります。2000~05年平均では2.65であり、先進地域では1.56、発展途上地域では2.90となっています。国連の推計によれば、2045~50年平均では世界全体では2.05、うち先進地域では1.84、発展途上地域では2.07となります。

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少子化の進行

1960年代までの出生率はすべての国で2以上の水準でした。日本の第一次ベビーブームは短期間で終わりましたが、アメリカでは50年代から60年代前半までと、長い期間高い出生率を享受するベビーブームが続きました。
 

1970年から1980年頃にかけて、先進国の出生率は全体として低下する傾向となりました。子どもの養育コストの増大、結婚・出産に対する価値観の変化、避妊など出生抑制技術の普及などがその背景にあったといわれています。

 

出生率の評価と政策スタンス

 日本と同様に欧米諸国においても少子化が進行していますが、各国では、この事実に対してどのように認識し、対応しているかご紹介します。
 

出生率の水準に対する主要国の現在(2005年)の認識を国連の資料からみると、フランス、ドイツでは、自国の出生率を「低すぎる」と認識しています。一方、スウェーデン、イギリス、アメリカでは「満足な水準」と認識しています。
 これに対して、政策スタンス(出生率に影響を与える政策に対する態度)をみると、「低すぎる」と認識している2か国のうち、フランスは「回復させる」、ドイツは「介入しない」というスタンスを採っています。また、「満足な水準」と認識している3か国では、すべての国が「介入しない」というスタンスです。なお、日本の場合、出生率は「低すぎる」との認識にあり、出生率を「回復させる」スタンスに立っています。日本の政策スタンスは、2001年までは「介入しない」でしたが、「少子化の進展に歯止めをかける」ことを趣旨とする少子化社会対策基本法の制定等を踏まえ、近年、政策スタンスを変更しています。

 

人口が増え続ける理由

出生率が現在は2.05であるのなら二人の両親から二人の子どもが生まれるため人口は増加しないと考えてしまいます。ですが人口は今後も増加していきます。

人口が近い将来100億人に達することは多くの人が知っています。しかしなぜ100億人に達するのか、その後どのくらい増加するのかを説明出来る人は多くはありません。

 

人口増加の理由は視覚的に見てもらうことで簡単に理解出来ます。

 

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図1 現在の人口分布イメージ

 

これが現在の人口の年齢別分布図のイメージです。

縦が年齢で1つのボックスが10億人となります。

0歳~14歳まではボックスが2つで20億人です。

15歳~29歳、30歳~44歳もそれぞれ20億人です。

45歳~59歳はボックス1つのため10億人です。

60歳以降も同じくそれぞれ10億人です。

 

ここから時間が経過します。

残念ながら75歳以上の人は死んでしまい私たちも歳を取ります。

そして新たに20億人の子どもが誕生します。

先ほどの75歳以上のボックスがなくなり、他のボックスが一つづつ上にあがります。そして0歳~15歳には新たにボックスが二つ追加されます。

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図2 15年後の人口分布イメージ

 

さらに時間が経過します。

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図3 30年後の人口分布イメージ

 

さらに時間が経過すると100億人の人口となります。

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図4 45年後の人口分布イメージ

 

イメージはつかめたでしょうか。

出生率が2のままでも人口が増加しつづける理由はこのためです。

図4以降は出生率が2のままでは人口は増加はしません。

今統計で出されている数値が今後も続く場合には全世界の人口は100億で止まるということになります。

そのため食料問題、エネルギー問題などについては人口100億人を最大として検討をするということになります。

 

 人口増加のイメージについてはハンス・ロスリング氏が分かりやすく説明をしています。興味のある方はご参考までに。

ハンス・ロスリング 「宗教と赤ちゃん」 | TED Talk Subtitles and Transcript | TED.com

 

 

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